京都大学はその創立時、京都府から創設費の約6割強にもおよぶ多額の寄付金を得ました。
また、その後の学部増設時にも土地の提供等による支援を受けるなどしています。
こうした地域からのご支援を鑑みても、歴史的に地域に根づいた大学といえます。
恩返しの意味も込めて、京都という地域の課題に目を向けることは、京都大学にとって自然な流れでした。
京都大学の総長もメンバー参加した「京都の未来を考える懇話会」の最終提言書「京都ビジョン2040」。
そこには、大学の役割について以下のように言及されています。
(京都の未来を考える懇話会 最終提言書「京都ビジョン2040」より)
近年、社会が大学に求めることのひとつに、「地域課題に応える」というものがあります。
また、京都にある大学として、京都大学もこの「京都ビジョン2040」の提言に応えなければなりません。
京都を学ぶことは、日本を学ぶことに通じます。
自国の歴史・文化について学ぶことは、世界と対等に競争・議論できるグローバル人材の土台に必要となるものです。
そうした人材の養成に向けて、日本文化について実地を伴った学習の機会を提供することは、京都に位置する総合大学の京都大学だからこそできること。
そして、グローバル人材の養成を期待される京都大学だからこそ、やらなければならないことだと考えます。
複雑化した現代の社会的課題を解決する能力を養うには、従来型の座学等だけでは不十分です。
実際に課題解決型のプロジェクトに参加することで、大学内で育成される専門的能力に加え、コミュニケーション能力や総合的な判断力等、プロジェクトマネージメントする能力が備わります。
昨今では、研究者であってもプロジェクトの遂行にあたってのマネージメント能力が求められる時代。研究型大学の京都大学でも、学生が地域課題に取り組む教育プログラムは非常に有意義といえます。