5月17日の「学校論ゼミナール」では、京都市立堀川高等学校にて授業見学をさせていただきました。午前中は探究の入門として、「探究基礎」の導入部分にあたる1年生の「HOP」の授業を、午後は論文を作成していく2年生の「JUMP」の授業を見せていただきました。
「HOP」の授業では、「問いを課題に洗練させる方法を学び、課題を設定する」ことを学習目標とした取り組みを見せていただきました。はじめに探究委員の生徒が主導して前回の授業を振り返り、その後先生から「課題設定のプロセス」について説明がありました。「問い」を「課題」に洗練させる意義や、課題設定の観点について、二人の先生が掛け合いながらわかりやすく説明されていたのが印象的でした。
説明のあと、生徒たちは机をグループの形に動かし、話し合い活動に入りました。そこで驚いたのが、すべてのグループで熱心に話し合いが始められたことでした。入学して間もない1年生が白熱した議論を続けている状況を見て、ただただ感嘆するばかりでした。
取り組みの中では、提示された3つのテーマである「投票率の低迷」「人工知能に取れられる職業」「京都における地震対策」の中からグループで一つを決め、各グループ一人ずつ調べてきた常識とそれに関する疑問文を発表していきます。そして各グループで「課題へと洗練していきたい」と思う疑問文を一つ決めるという流れで話し合いが行われていきました。どの生徒も積極的に意見を述べ、目を輝かせて、鋭い問いを投げかけていました。先生方は机間指導の中で、様々なアドバイスを行っていました。
各グループが一つ疑問文を選んだあとは、先生から課題へ洗練させる方法の一つとして「ツッコミシャワー」の紹介がありました。先生が実際にツッコミシャワーを用いて問い自体に問いを投げかけ、「東京五輪が成功するためには?」という問いを具体化していくことで、よりわかりやすく説明しているのが印象的でした。説明を受けて生徒たちは各自でワークシートにツッコミシャワーを行っていました。
午後からは2年生の「JUMP」を見学させていただきました。1年生の取り組みとは少し異なり、より本格的な探究学習が展開されていました。このような学習が大学生になってからの学びや社会に出てからの力、主体的な進路選択に繋がることを感じました。
また見学の時間の中で、A班とD班は先生方と個別で打ち合わせをする時間を頂きました。実際の状況、要望等を教えていただく中で提案の方向性のすり合わせに努めました。お忙しい中、私たち学生のために貴重な見学の機会を設けてくださった堀川高校の皆様に感謝申し上げるとともに、今日の見学が今後の私たちの学びにつながるように精進していきたいと思います。
(文責:教育学研究科修士課程1回生 森本来希)