【2015/7/27】グループ活動の中で様々な気付きをいただきました —各班の活動の様子と学びをお伝えします— | 活動報告 | 京都大学COC事業「COCOLO域」

活動報告

年度別レポート等

  • 教育・研究
  • 学校論ゼミナール
2016/06/22

【2015/7/27】グループ活動の中で様々な気付きをいただきました —各班の活動の様子と学びをお伝えします—

20 21

 

(1班の活動)堀川高校の自主ゼミ活動をしている生徒に向けたリーフレットづくり

堀川高校の生徒さんが有意義な活動をできるように「評価」という観点をもつことを提案したいと考えました。そこで、堀川高校の自主ゼミの様子を参観したり、学部生に研究活動における活動の評価について行っていることをインタビューしたりしました。この結果を基に、評価方法の実例と、理論的な評価方法についての考え方とを簡潔にリーフレットにまとめました。

最初は、理論的な評価の意義や方法だけでまとめようと考えていましたが、堀川高校・本学の先生方、院生のアドバイスにより、「高校までの学びと研究活動についてギャップ」をまさに感じている、自分たち学部生の情報を盛り込むことにより、高校生はもちろん、大学生にも役立つリーフレットができたと感じています。

 

(2班)アクティブラーニングを高校の授業で取り入れる方法を提案

当初はアクティブラーニングについて文献調査し、それを堀川高校の先生方に御案内することを目標に活動していました。しかし、堀川高校の先生から、探究基礎と教科授業の連携の方が課題であると伺い、ディープ・アクティブラーニングの考え方を軸に、探究基礎で学んだことを教科授業に活かす方法を考えました。

まず、堀川高校出身の本学学生に、探究基礎と教科との授業の経験や、学びの接続に関する意識についてのインタビューを行いました。すると、探究基礎で学んだ技術を教科の授業に応用するには至っていないことが分かり、もったいなく思いました。そこで、改めて文献調査をし、探究基礎で学んだ技術を教科の授業で活用する「ミニレポート課題」を提案することにしました。

参加型授業こそ最もよい授業の形式だという風潮もありますが、授業の中で生徒を主体にすることがすべてではなく、課題を通じて生徒が主体的に学ぶ機会を与えることもできるのだと実感しています。

 

(3班)高校生がICTを活用するにあたって大学生としてできるアドバイス等を考える

当初、SNS使用に関する生徒の心理、トラブル、ICTリテラシーに関する文献調査を行い、対策の企画案を提示しました。しかし、堀川高校の先生とのお話の中で、生徒の使用頻度が高く、人間関係に影響を与えると思われる「LINEの既読無視」に焦点を絞っていくことになりました。そこで、LINEで既読無視によって生じる感情についてのアンケートを実施しました。私たちは、アンケートの結果を踏まえ、既読無視にどう対処するかをリーフレットにまとめるつもりでした。しかし、そこで出た結果は、私たちの仮説を覆すものでした。私たちは戸惑いました。文献調査の結果との関連づけも難しくなりました。しかし、大切なことは、この仮説と実態のズレを正しくとらえ、それを活かした提案をすることが鍵だと気付きました。また、堀川高校の先生からの御指摘で、生徒を引きつけ、有効に活用してもらえる資料づくりのための生徒目線の考察も必要であることにも学ばせていただきました。今回のこの経験は、今後の研究のためにも大変意義あるものとなりました。

 

堀川高校の先生方からの御依頼に基づき、先生方や生徒さんにとって有用と思っていただけるものを、根拠を基に御提案するという学びは、学生たちにとっても、実り多き学びとなりました。特に、文献調査の結果として得られた理論と実際とのギャップの狭間をさまよう経験は、今後多岐に生かされると思います。堀川高校の先生方、調査に御協力いただいた学生、生徒の皆さんありがとうございました。

(文責:教育学研究科 修士課程2回生 望月 実)

 

一覧へ戻る