12月7日、京都大学教職科目「教育課程論Ⅰ」内で京都市立堀川高等学校の井尻達也先生にご講演をいただきました。井尻先生からは、先生が教員になられた経緯や堀川高校の探究基礎の取り組みを中心にお話しいただきました。
堀川高校では「自立する18歳を育成する」を最高目標として掲げています。この抽象的な言葉を具体的に解釈し、その目標に向けてカリキュラムが設計されています。堀川高校の特徴的な取り組みとして「探究基礎」が挙げられますが、この授業は「自立する18を育成する」手段であり、探究の成果よりも過程を重視した取り組みがなされていました。
カリキュラム・マネジメントの場面において、目標からカリキュラムを設計しているという事実は、今まで生徒の視点で教育を見てきた学生にとって、教員から見た教育という、教育を見る別の視点を与えていました。
今回のご講演では、井尻先生がなぜ教師になられたのかというお話も伺うことができました。井尻先生は教員になられる前NASDA(現JAXA)でお仕事をされていたそうです。自分の夢を追い続けて宇宙開発の現場に携わるようになった経験から、「夢を追いかけることが自分の成長につながること」を伝えたいと思い、教員に転職されたそうです。
今回の井尻先生の職業選択における本音のお話を拝聴したことは、教員になろうと考える学生や、教員になろうか他の職業に就こうか悩んでいる学生たちにとって、自分は何がやりたいのか、将来に向けて再考する機会になりました。
※本講演は、京都大学のオープン・コースウェアのサイトに掲載されております。
京都大学OCW → 教育学部 → 教育課程論Ⅰ,2016
http://ocw.kyoto-u.ac.jp/ja/03-faculty-of-education-jp/16-9233001