10月14日、京都大学教職科目「教育課程論Ⅱ」内で京都府立園部高校の田中容子先生にご講演をいただきました。田中先生からは、園部高校におけるカリキュラム改革に関連する内容を中心にお話しいただきました。
田中先生は「すべての生徒に学ぶ力を育てる」ことを目標にしておられます。園部高校が2006年にSELHi研究指定を受けた際、研究テーマを「最も学習に困難を抱えている生徒たちに英語運用能力を育てるにはどのような方策がありうるのか」と設定し、同僚とともに英語科のカリキュラム改革を始められました。
田中容子先生が取り入れられている方策の一つである、生徒のつまずきから教材を作るという観点は、私たちも持つ必要があるものだと痛感しました。得意な教科の教師になるということが多く、苦手な生徒にはわかりにくい教材を作成してしまうことも考えられます。教科書や自分の知識を参考にするだけでなく、生徒の目線に立って教材をつくることも必要だとわかりました。
田中先生の実践のすばらしさを多くの学生が感じ取っていたようです。また、この実践は田中先生の経験のみでなしえたのではなく、徹底して理論を学ぶことによってできたものであるとも感じました。ルーブリックの作成やパフォーマンス評価の導入も、表面的に導入しただけで終始してしまえば何も成果はでないでしょう。現場で授業をする際にも、理論がとても役に立つことがわかり、教科内容以外にも学習すべきことはたくさんあると感じました。
(文責:教育学部2回生 鎌田祥輝)
※本講演は、京都大学のオープン・コースウェアのサイトに掲載しています。
→教育学部 「教育課程論Ⅱ」2015
https://ocw.kyoto-u.ac.jp/ja/03-faculty-of-education-jp/15-9234001