2017年4月26日
今年度の「学校論ゼミナール」では、京都市立堀川高等学校との連携のもとで活動を行っています。学部生10人と、大学院生を中心としたサポーター7人が4つのグループに分かれて、それぞれ「国際交流」、「主権者教育」、「メディア・リテラシー」、「探究基礎での課題設定」というテーマで研究を行い、何らかの形で堀川高校に貢献できる成果をあげることを目標としています。
4月26日(水)、堀川高校の井尻先生をお迎えして企画書の検討をしていただきました。各グループが作成してきた企画書をもとに説明と提案を行い、井尻先生からご指摘とアドバイスをいただきました。また、他のグループに積極的に意見する学生も見られ、最初の企画検討としては大変活発なものとなりました。
なお、今回の検討の結果を受けて企画書を練り直し、6月7日に再度検討をお願いする予定です。
A. 国際交流
8月2日から4日にかけて京都市主催で行われる「友好都市青少年会議」の企画・運営に関わる堀川高校のグループと連携し、支援を行います。「グローバル」、「環境」、「文化」という3つの柱を掲げる高校生たちの自主的な活動を第一に、会議の成功と高校生が自己評価を通じてさらなる課題を発見することを目指します。
B. 主権者教育
従来の「主権者教育」では、本来「主権者」として備えるべき多角的・複合的なものの見方や主体性は身につかないという問題意識のもと、アクティブ・ラーニングを用いることで社会問題について考える姿勢、思考する力を育めるのではないかと提案しました。実際に授業やワークショップを行うとして、そこで生徒が主体性を発揮できる発問や仕掛けを用意できるかが今後の課題となりそうです。
C. メディア・リテラシー
高校生の多くが利用するLINEやtwitterなどのSNSにおいて、不特定多数の人物とつながりがもてること、また親密な関係を築けてしまうことの危険性を高校生に提示することを提案しました。身近かつ危険な問題であるSNSですが、学校での指導は「いたちごっこ」になっているとのことで、学校、そして高校生たちの抱える問題が実際はどこにあるのかを把握して研究の主軸を決定することが求められました。
D. 探究基礎での課題設定
生徒が出した「問い」を具体的な課題に育て、その後の探究活動につなげていくために、ワークショップやリーフレットを用いて支援することを提案しました。課題設定に関しては、高校生はもちろんのこと、その指導にあたっている先生方にとっても難しい問題とのことで、高校生向けのワークショップではなく、教員向けのワークショップにしてもおもしろいかもしれないというアドバイスをいただきました。
(文責:教育学研究科修士課程1回生 栗崎慎太郎)